効果が出る必要量を服用していない
アジーは、1日1回分だけ服用すると、1週間から2週間の間血中濃度が持続されて、毎日飲む必要がない便利な薬です。 クラミジアに対する効果も安定しており、処方する病院も多いです。しかし、上気道炎の処方では500mgを3日となり、このような使い方では、クラミジアに対する有効な濃度が維持できません。
またアジーは淋菌に対しても有効性がありますが、臨床では不十分です。日本性感染症学会のガイドラインでも推奨されておらず、淋菌の治療には使わないことも多いですが、アジー2000mgの保険適応が認められていることもあります。
一度にたくさん使って効果がある
アジーは、1回飲めば必ず治るので、病院にもう来なくてもいいというお医者様もいます。しかし、アジーは、2000mgの大容量単回投与により、腸管から吸収され白血球に貪食されて、1~2週間に渡り徐々に放出される体内徐放剤です。そのために注射薬のように血中濃度や組織内濃度が、一瞬で高まるような薬ではないのです。
アジー1000mgを投与すれば、クラミジアの除菌率は90%です。しかし臨床実験では、単回投与するだけでは、尿道分泌物まで治る人は6割ぐらいと少なくなります。これを500mgを3日続けてはさらに効き目が薄まります。尿道炎ではクラミジアだけでなく、その他の菌も混合し感染することが多いので、1度に大量に使わないと、血中濃度などが薄いために十分に効果を発揮しないのです。
尿道炎の治療方法
男性のクラミジアや淋菌の症状では、ほとんどの場合尿道炎として現われます。また、性行為をせずにに尿道炎になる場合もあり、これは雑菌性尿道炎です。尿道炎では抗生物質の服用での治療が効果的です。ジスロマックやアジーなどアジスロマイシン系を使う場合は、1週間でほぼ完治します。
しかし、治療せず放置している、薬を最後まで飲まずに滅菌が不十分である場合、雑菌が尿道から膀胱や腎臓、前立腺などに侵入し、膀胱炎や急性腎盂炎、腎炎、急性前立腺炎を引き起こすこともあります。
尿道で炎症を起こしている間に検査して原因を特定し、早めに治療を進めないと悪化する一方です。そのために治らずに不安になれば、まずは病院で一回検査を受けてみると良いでしょう。尿道炎を起こしているようなクラミジアや淋菌は、基本は抗生物質を使わないと治りません。さらには、そのままにしておくと、パートナーへ移すリスクもあります。