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クラリスもクラリシッドも先発品と紹介されていました。先発品が2つあるのはなぜですか?

先発医薬品とは?

先発医薬品とは、最初に開発され、承認後発売された薬であり、従来になかった薬効成分を持つ医薬品のことを言い、新薬とも言われます。新薬を開発した企業は、医薬品の製造方法に特許権が与えられ、20~25年の特許期間の間、特許に守られ、その薬を独占的に製造し販売することが出来ます。

新薬の開発は、十数年の研究期間と数十から数百億円とも言われる莫大な研究開発コストが必要になり、開発しても必ず製品化されるとは限らず、大きなリスクが伴います。そのために開発を行っているのは大手医薬品メーカーである場合がほとんどです。

先発医薬品の特許が切れた場合に、他の医薬品メーカーからも製造発売でき、先発医薬品と同一の成分で同じ効果のある薬を製造販売し、それをジェネリック医薬品と言います。

クラリスとクラリシッドは名前が違うだけ

マクロライド系の抗生物質クラリスロマイシンを使用した薬は、先発薬として2つあります。アボットから発売のクラリシッドと大正富山から発売のクラリスです。この2つは製造元がどちらも大正製薬で、販売元がアボットと大正富山で違うだけであり、名前が違っても、全く同じものです。

クラリスロマイシンが有効成分の抗生剤を、1991年から製造販売し、その後会社が薬の名称を変えて販売しているので、どちらも先発医薬品です。

医薬品の販売促進の手段として、コ・プロモーションと呼ばれるものがあります。新薬を開発した企業は、販売力の強い企業と提携を行い、共同して販売することにより短期間に製品を広めて市場シェアを伸ばすのに使われる販売手法です。複数の製薬企業で同じ医薬品を並行して販売促進する事も多いです。実際には、一つの商標を片方の企業が開発担当となり、販売促進活動を両社で行なうもので、会社間の業務提携の一つです。複数の製薬企業で、同じ医薬品を別々の商標にして並行販売することもあり、コ・マーケティングと呼ばれます。

同じ成分の薬

クラリスもクラリシッド以外にも、国内だけで約20社が、同じ主成分の薬を製造しています。しかし名前が違う主成分だけが同じ薬は、着色料や保存料などは全て同じということはないです。表面の保護膜の成分や加工方法が違うと、服用後に胃で溶ける速さも違ってくるので、服用後の効果が出るまでの時間や副作用の内容も違います。アレルギーのある成分を含んだ製品でも、別メーカーの製品では問題が無いということもあります。