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性感染症治療薬・抗生物質にまつわるハナシを集めました

リステリンは性感染症治療薬になる!?

抗生物質が登場する前の19世紀には、マウスウォッシュとして有名な「リステリン」は、実は淋菌感染症治療薬として、販売されてました。その後100年以上を経て、その効果が本当の可能性があるという研究結果発表されます。

オーストラリアの研究チームがイギリスの医学雑誌に「性感染症」に関する発表の論文によると、リステリンを実験室で使用したところ、ペトリ皿の淋菌、そして感染者の喉にいた淋菌のどちらも殺したと言う結果が出ました。

つまりは、この実験結果の通りだとすると、リステリンのマウスウォッシュでうがいをすると、性感染症の淋病を予防出来ることになります。日頃から使えば抑制するための簡単な方法であると、研究結果で立証されたのです。

世界初の抗生物質を作ったのは日本人

1909年1月、37歳になる秦佐八郎はフランクフルトにある研究所に行きます。研究所の所長は、免疫研究で、ノーベル生理医学賞を穫ったパウル・エールリッヒです。そして世界トップクラスの研究所で、新薬開発を始めます。

開発で目指した薬は、病原菌を殺す薬でありながらも、対象の病原菌だけを殺す薬です。つまりは、現在の抗生物質の事です。目標では、梅毒と回帰熱の病原菌を倒すことを目指します。

ついに抗生物質を見つける

実験ではハツカネズミに細菌を注射し、毎日毎日効果を見ては薬物を変えていきます。実験を繰り返し、ついに目指す薬物を発見します。606号と記された瓶の薬物を使ったところ、ネズミの中にある病原菌が、体を傷つけることなく菌だけ死んだのを見つけます。翌年には梅毒の治療薬として販売が決まり、名前が「サルバルサン」となり製造され販売開始されます。しかしその後登場のペニシリンの方が効果があったために、サルバルサンは世に広まることなく消えていき、秦佐八郎の名も知られることはありませんでした。

スーパー耐性菌

抗生物質は、使用すると耐性を持つ耐性菌が生まれることは有名です。それはペニシリンから始まり、最近はバンコマイシンなどの耐性菌も出てきています。そして2017年には、米国で利用可能な26種の抗生物質の全部に耐性を持つ菌に感染した米国人女性が亡くなり、これにより、ほとんどの抗生物質に耐性持つ菌が登場しました。

女性は米国で利用可能な抗生物質全てに耐性のあるカルバペネム耐性腸内細菌科細菌に感染した、敗血症で死亡します。このようなケースになると、まだその国で使われていない抗生物質を使うか、新しく開発された抗生物質を使うかの治療となっていきます。